An intermediate support organization to develop human resources for art management professionals of Performing Arts, and to enhance their working environment.
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「Super Theater小池博史ブリッジプロジェクト」は2012年5月、30年の活動に終止符を打った舞台芸術カンパニー、パパ・タラフマラの演出家小池博史さんが立ち上げたアートプロジェクトです。
35年間40か国にて、演劇・舞踊・美術・音楽等のジャンルを越えた国内外の様々なアーティストと70作品を産み出し、舞台作品というアートを通して人間の多様性と共生の在り方を社会に発信し続けてきた主宰・小池博史さんの舞台芸術作品の創作はもちろん、映像・写真・インスタレーション・文章などのメディアを活用した多角的な発信を行い、世界との架け橋を創り出すことを目的とされています。
また、イベント・ワークショップ・教育プログラムの実施など、“からだを使って考える”事の出来る人材の育成もてがけています。今回の制作スタッフ募集にあたって、小池博史ブリッジプロジェクト代表の小池博史さん、企画・制作の大橋律子さんにインタビューしました。
A12012年5月にそれまで30年やってきた「パパ・タラフマラ」というグループが活動終了し、そのあとに「Super Theater小池博史ブリッジプロジェクト」を立ち上げました。その名前の通りで、様々な文化、人種、年齢、表現のジャンル、古典や現代に関わらず、色々なことに対しての橋を架けていくことを目指しています。見せるの対象も大人だけではなく子供も含めいろいろなつながりを作っていけたらと始まったのがこのプロジェクトです。クリエイティビティを確認しながら、発信と教育と創作を3つの柱にしています。この「発信」というのは出版なども含んでいます。
A2「パパ・タラフマラ」の時代には出演者もメンバーにいましたが、現在はプロデュースシステムとしています。つまり主宰と制作がメンバーとなっていまして、制作チームは会計も含め現在は4人ほどいます。今回制作チームが減ることになり、募集をすることにいたしました。
A3主な業務としては
・舞台公演、ワークショップ、展示などの企画/制作/運営業務
・舞台のマネージメントに関する事務、制作業務全般
・貸しスタジオの管理、運営
です。貸しスタジオの運営をしながら、メインとしては舞台作品の制作をゼロから立ち上げていくことです。海外とのやりとりも非常に多いです。もちろん国内でしかやらない事業もいろいろあります。今まで見たこともないような作品を作っていくという意味で言えば非常にクリエイティビティは高いと言えます。そこが高すぎて大変だということはあるかもしれません。
今年度は3作品(新作が2作品、「注文の多い料理店」の音楽家を加えてのリメイク1作品)を創作し、10本程度のワークショップによる作品創作を行いました。これは国内外を問わず実施しており、主宰と、場合によってアシスタントが現地に出向いて数日間で市民と一緒に作品をつくります。それ以外に展示や小池博史のマネジメント業務なども行います。
A4単純に、日本で創作した作品を海外に持っていくだけではなく、昨年はタイで創作を行って日本にもってきたりもしています。現在行っているマハーバーラタプロジェクトは「アウェーで創る」ということを重視しており、昨年の場合は8か国の人たちがタイに集まって創作しました。海外部門に関してはもちろん語学は必要ですが、制作スタッフ全員が語学が出来ないといけないわけではありません。今いる制作スタッフで語学が問題なくできる人もいますし、語学力を必要とするととたんにハードルが上がってしまいますので。語学はできなくてもいいので、新しいことにも柔軟に対応できる方を求めています。
A5それは全く問題がありません。現在他業界で働いている人であっても「仕事をする」ということの基本はそんなに変わらないと思います。ただ舞台制作の場合は、対応しなくてはならないことが相当多いかなと思います。たとえば申請書を書く、いろいろな交渉ごとを行う、そして計算もある程度できないと、ということを考えますと意外に高い能力がもとめられてしまいます。その意味で最初は大変かもしれません。しかし本気でやれば相当面白いと思うんです。
サラリーマン的な働き方とは違って、自分でいろいろ生み出せる余地も相当大きいので、全く新しい仕事ができる可能性もあると思います。
探求型の人材、新しい何かを探っていきたいという気持ちがある方には面白い現場だと思います。
A6現在交渉中でまだ決まっていない事業としてはトルコやポーランドがありますが、決まっているものとしては4月のあたまにインドのデリーとムンバイで公演があります。シアターオリンピックスという大規模なフェスティバルに参加し、『注文の多い料理店』を上演します。インドだと日本とはいろいろな状況が全く違っていて面白いですよ。まず観客が、上演中に電話やおしゃべりをしたらいけないと思っていないので平気で電話をしていたりしますし、冷房がない劇場もあります。過去に南インドで上演した際に、冷房がなく扇風機しかなかったんですが、その扇風機もただ熱風をかき混ぜているだけで暑くて暑くて…。そんなことは日本では絶対にないですよね。しかし観客の反応は熱狂的なものがあります。それは本当に面白い経験です。
ほかには地域創造で『幻祭前夜-マハーバーラタより』国内ツアーが5か所、ワークショップもあります。ほかには『注文の多い料理店』国内ツアーも現在調整している最中です。
シンガポールと香港でワークショップとクリエイションもほぼ決まっています。
それ以外に、舞台芸術の学校もやっていますのでそのサマーキャンプがあり、『世界望郷の旅』という新作もあります。
また来年以降の事業も進めていますので、再来年に茨城県の委嘱で『桜川』という作品の上演に向けても動き出しています。
今回、事務所にお伺いし、ブリッジプロジェクトの名前の通り「ジャンル・人種・国境・年齢・性別・文化等々、さまざまな境界線を超えて」活動してきた小池さんのお話をお伺いしました。
海外での公演のエピソードや、「カンパニーの運営」についてのお話など、いろいろな経験をされているからこその体験談や視点が非常に面白く、ご自身で「いろいろ考えながら、試しながらやってみたい」という方にはチャレンジしがいのあるお仕事ではないかと思いました!
また、小池さんは「舞台芸術とは何か?」についての新しい論考として、昨年12月に水声社より「新・舞台芸術論―21世紀風姿花伝」を出されています。他業界の方などで、お仕事に興味はあるけれども舞台芸術に関わること自体が初めてという方はまずこちらの本で小池さんの考えを知ることから始めるのもいいかもしれません。(Explat取材班)
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