An intermediate support organization to develop human resources for art management professionals of Performing Arts, and to enhance their working environment.
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2015年10月に、富士山の見える多摩川沿いにカルチャー・ファクトリー「たちかわ創造舎」が本格オープンします。たちかわ創造舎の全体の管理・運営は「にしすがも創造舎」などの運営も行ってきたNPO法人アートネットワーク・ジャパンが行っています。本格オープンを控え、まさに今いろいろなところを改造中の、ペンキの匂いのするたちかわ創造舎にて、チーフ・ディレクターの倉迫康史さんとチーフ・マネージャーの陽茂弥さんにお話を伺いました。
A1もともと廃校になった学校を市民が活用して使っていたのですが、市民団体だけでは継続した活動が難しいということで立川市が事業者を募集して、そこに私たちNPO法人アートネットワーク・ジャパンが手を挙げ、選定され、管理と運営をすることになりました。運営にあたっては、立川市から3つのミッションをベースにしてほしいと言われていまして、1つめが「インキュベーション・センター事業」、2つめが「フィルムコミッション事業」、3つめが「サイクル・ステーション事業」です。
A2「インキュベーション・センター事業」としては校舎の3階にシェア・オフィスを設けており、最初は4団体に入っていただきたいと思っています。同じフロアに、シェア・オフィスの団体が無料~廉価で使えるスペースもあるので、ワークショップやものづくり等にも使っていただけるようになっています。また倉迫が企画しているコミュニケーションとプレゼンテーションのためのスクールなども行う予定です。
「フィルムコミッション事業」としては、学校というシチュエーションを活用した映画や写真などのロケ地として使用していただけます。映像の上映会や、若手の映像クリエイターなどを支援する企画も考えていきたいと思っています。
3つめの「サイクル・ステーション事業」ですが、立川市はもともと自転車を活かしたまちづくりを掲げていろいろなことをやっているんですね。たちかわ創造舎のすぐ横に多摩川のサイクリングロードがあり、ここは週末になるとたくさんのサイクリストが走っています。その方たちの休憩所としてシャワールーム、コインロッカーなどを使ってもらえるようにし、いずれカフェもオープンしたいと考えています。初めてスポーツサイクルに乗る方たちへの乗り方講座から、栄養学などのプロフェッショナル向けの講座まで、幅広い人たちを対象にした自転車のスクールも年間を通して行う予定です。また、このフロアの一番奥に東京ヴェントスという地域密着型のサイクリングチームの拠点も移ってくるんです。
1階が「サイクル・ステーション事業」、2階が「フィルムコミッション事業」、3階が「インキュベーション・センター事業」のための主なフロアで、4階はレンタル倉庫や稽古場として貸し出す予定です。ただし4階は空調がありません。その分1日1,500円というかなり安い価格設定にしています。
この1階~4階がA棟ですが、渡り廊下でつながった向こう側にB棟があり、そちらは「たまがわ・みらいパーク」という市民団体が使っています。A棟がどちらかというとプロフェッショナルを育てていくような場所で、B棟が地域密着型のコミュニティーアートなどを行っており、両方が有機的につながっていて、全体としてたちかわ創造舎になっています。B棟はお年寄りと子供がたくさんいますよ。
A3利用者への鍵の貸出、施設利用に関しての問合せ対応などの受付業務、「フィルムコミッション事業」での撮影時の立ち会い、校舎や校庭の維持管理(そうじ)も業務に入っています。管理運営スタッフですので、管理だけではなくてイベントの運営などをお手伝いいただくこともあると思います。また、しっかりした方で、今後も企画の所から関わってほしいという事になれば、将来的に管理運営バイトから職員になっていく道もあると思います。
A4もちろん可能です。最初に週に何回入るかという基本的な約束はさせていただくことになると思いますが、シフトは1か月前の中ごろに希望を聞いて組んでいきますので、公演の本番や海外ツアーがある場合に長期で休む必要があれば、他の人との調整で埋めていくことは可能だと思います。昼間は2名、夜は1名でまわしていくことになりますので、最初にある程度の人数でチームを作りたいと思っています。今いるスタッフ2名も役者です。管理運営スタッフは表現に関わる人たちが多いと思いますので、こちらもその心構えはあります。
A5それは一番のネックですね(笑)。徒歩5分圏内にはコンビニが1件、10分圏内にはさらに2件。徒歩圏内で唯一の飲食店は丸亀製麺ですね。なので、朝コンビニで買ってくるか、お弁当を持ってくる人が多いですが、今後カップラーメンの自販機を設置予定です。
A6私は自転車のことは全く無知だったのですが、たちかわ創造舎の立ち上げにあたってすごく詳しくなりました。あと舞台芸術では出会わない方たちにお会いする機会も多いですね。(陽)
3つの事業もそうですが、ここはいろいろな文化が混ざり合う場所です。内側での交流もありますし、地域との交流の拠点にもなっていくと思います。さらに立川市の文化行政とも直結しているので、公共性も考えて行かなくてはいけません。ここでいろいろなレベルでの交流が経験できると思います。特にコミュニティのなかで活動をしたい、自分の地元に帰って文化活動・芸術活動を行いたいという人たちには、良いシミュレーションの場になると思います。また上の年代の方たちとも付き合う必要がありますので、縦の広さと横の広さのどちらも経験できるのはないかと思います。(倉迫)
A7人当たりがよくていろいろな人とコミュニケーションが取れるという人も必要ですし、逆に黙々と作業してくれる人も必要ですね。いろんなところに目が届いて、いろいろなことに興味を持っている方だといいのかなぁと思います。またオープニングスタッフということで、この施設を創っていくところからのスタートなので、気づいたことをどんどん言ってほしいですね。単純にあそこの水回りがどうとか、こうしたほうが利用者が使いやすいんじゃないかとかでも。出来上がった施設にアルバイトに来るというのではなく、一緒にこの場所を創っていける方がいいですね。
A89月27日(日)に全館を見学していただける「たちかわ創造舎一般公開DAY」があります。その後に、オープニング公演としてTheatre Ortが『想稿・銀河鉄道の夜』を10月30日(金)、31日(土)に上演します。 自転車関係のイベントは多くて、10月24日(土)にはたちかわ創造舎のグラウンドで繰り広げられるシクロクロス「サンセット・シクロクロス」、11月15日(日)にたちかわ創造舎から水喰土公園、羽村堰などの自然の恵みあふれる東京の水源を自転車でたどる「TAMAGAWA水の道・らいど」が開催されます。また、10月からは「たちかわサイクリングスクール」という、6回をひとくくりとした半年間のスクールも始まります。
実はシェア・オフィスに入る人たちも重要で、その方たちに単に場所貸しを行うのではなく、ここで何かをやっていただきたいんですね。市民に向けたワークショップやレクチャーやイベントなどを考えてもらって、たちかわ創造舎が共催に入ったり、様々なかたちで提携していきたいと思っています。つまりシェア・オフィス・メンバーもこのたちかわ創造舎の運営に入って来るということなんです。いろいろなアイデアを受け入れて、一緒にここの事業としてやっていきたいと考えています。そのシェアオフィスの団体も今募集中で、選考は今年度いっぱいかかってもいいので、ここで一緒にやっていける方々に入っていただきたいと思っています。
A9本当に自然が多いので、窓の外を見ると一息つけます。それから立川駅の北側はららぽーとやIKEAなども出来、大規模開発をしていますが、南側はリノベーションして昔ながらの商店街が頑張っていて、都会性と地域性の両方がある場所だとおもいます。中央線ユーザーの方はぜひ応募してほしいですね。また京王線、小田急線の方も南北を移動すると実は来やすいんです。都会に疲れたけど都心を離れられない方にはお勧めです。ちなみに向かいの団地も家賃が安くて、2Kが3万円台後半、2DKが4万円前半なんです。いずれはアーティストレジデンスなどができるようにもなればいいなと思いますね、時間はかかりますけど。(倉迫)
たちかわ創造舎以外にも、立川駅の南側には農園でアートを行う「ART in FARM」を行っている井上農園、ひとつの倉庫を区切ってたくさんのクリエイターが拠点として活動している石田倉庫アトリエなど、面白いことをやっている人たちも近所にいます。これからこういったところが組んでいけると、地域としてもっと大きなつながりが作れる可能性もあると思います。(陽)
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