An intermediate support organization to develop human resources for art management professionals of Performing Arts, and to enhance their working environment.
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“京都文藝復興” “藝術立国”を旗印に、芸術文化による人間精神の復興を目指した運動を行っている京都造形芸術大学。大学の中に劇場「京都芸術劇場(春秋座・studio21)」を持ち、伝統的な歌舞伎から同時代の実験な作品までを幅広く上演し、また社会普及のための講座なども行っています。この京都芸術劇場 舞台芸術研究センターで、大学の発展のために中心となって活躍する事務局職員を募集中です。京都造形芸術大学 舞台芸術研究センター事務局で、職員の井出亮さん、川原美保さんにお話を伺いました。
A12001年に京都芸術劇場(春秋座、studio21)が京都造形芸術大学内に開設され、それにともない、企画・運営を行う部署として舞台芸術研究センターが立ち上がりました。現在のセンター所長は能楽研究者でもある天野文雄が務めており、開設当初の春秋座の芸術監督は三代目市川猿之助(現・市川猿翁)さんで、studio21は太田省吾さんが中心となり公演をプログラミングされていました。
大学の中に劇場をつくるということですが、当時大学の副学長を務めていた三代目市川猿之助(現・市川猿翁)さんの、大学の中で本物の歌舞伎や様々な舞台芸術に触れられる場所が必要で、その場所に学生がいろいろな形で関わっていくことで教育施設としても役立つのではないか、とう思いから立ち上がりました。
舞台芸術研究センター=京都芸術劇場ともいえますが、研究目的、教育目的、社会普及目的の3本柱で行っています。これらの3本柱の公演を中心に、講座、シンポジウムなどを企画・運営していくのが舞台芸術研究センターの役割です。
もちろん大学の中にある劇場ですので、大学の授業や、他部署が企画するシンポジウム、学会、映画上映などに対応したりもしています。そういった学内の利用も含めると、年間の稼働率は相当高い状態です
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研究目的・・・演出家やダンサーもいる主任研究員の先生方の研究目的です。実践的なことが多く、最先端の公演なども行います。
教育目的・・・ここで行われる公演に学生が関わっていくという教育目的です。まず観客として観に来るだけでも自分の引き出しを増やす機会になります。学生料金で公演が格安で見られるため、大学内の舞台芸術学科はもちろん、他学科、それから他大の学生も来ます。若いうちから本物に触れられる機会です。
観る事以外では、公演本体に関わることもあれば、フロントスタッフなどの表方や、搬入搬出などの舞台裏のアルバイトにも学生がいます。学生がプロの現場に関わることによって、いろいろな経験が可能になります。
社会普及目的・・・歌舞伎ができる劇場が大学内にありますので、劇場を地域の方に利用していただくという社会普及目的です。まずは地域の方に観客として来ていただけるよう、公演内容もエンターテインメントなもの、現・芸術監督の四代目市川猿之助によるプログラムとして松竹大歌舞伎や歌舞伎舞踊の公演、また、立川志の輔さんの独演会なども行い、毎回多くの地域の方々にお越しいただいています。海外からの観客もお越し下さいますね。また、公演だけでなく「日本芸能史」などの劇場を使った公開講座も行っています。これは前期後期で全13回の実演付きの講座です。受講生の中には、地域の方もいますし、大学の生徒もいます。地域の方と学生が同じ場所で勉強できる場になっています。
芸術監督プログラム:「松竹大歌舞伎」
芸術監督プログラムキャラクター“このすけ”
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春秋座は歌舞伎ができる劇場で、花道はもちろん、廻り舞台、セリの機構、宙乗りの設備も常設され、歌舞伎の演出がフルでできるように設計された劇場です。座席はかなりゆったり作ってあり、花道を外すと843席です。もちろん歌舞伎だけではなく、花道を外してプロセニアムの劇場にすることも、舞台上舞台にして使用することもあり、いろいろな形式の舞台芸術に対応できます。各種機材もそろっており、マルチメディア・パフォーマンスにも対応可能で、伝統的な歌舞伎から現代的な公演まで幅広くいろいろな公演が上演されています。オーケストラピットもあるので、オペラも毎年上演しています。
studio21は、舞台芸術学科の学生の授業や発表公演、舞台芸術センターで企画した公演のなかでもこのサイズのブラックボックスにふさわしいものを上演しています。最大150席程度ですが、客席ユニットをばらしてしまうこともできるので、いろいろと実験ができる空間になっています。
この2つの劇場で、歌舞伎のような伝統芸能から、エンターテインメント、マルチメディア・パフォーマンス、オペラ、大学生の公演まで様々な公演が、しかも大学の中の劇場で行われているというのが特徴です。
春秋座内観 撮影:清水俊洋
studio21
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現在、チケットセンターで2名、常勤・非常勤あわせて制作・事務・管理で10名程度がここで働いています。それ以外に技術のスタッフや、大学の先生でここに席がある方もいます。公演や大学の授業など劇場が常に動いていますので、スタッフ全員がチームとなり、いろいろな状況に対応しています。ひとりひとり役割は分かれてはいますが、公演の際にはみんなで声を掛け合って劇場を運営しています。
雰囲気としては、何でも言い合える、話し合える雰囲気があると思います。この人は伝統芸能、この人はコンテンポラリーというようにスタッフがジャンルで分かれているのではなく、同じ人でも公演ごとにやっていることは全然違います。なので、コミュニケーションを大切に、みんなで声を掛け合って助けあっています。
公演が終わった後にはみんなでラーメンを食べに行ったり、毎年ビアガーデンに行ったりと、大学の周りにおいしいお店も多いので(笑)スタッフの仕事外の交流も結構あります。子供のいるスタッフも多いので、ビアガーデンには家族連れで参加したりもしますね。
また全員が舞台芸術をもともとやっていたわけではなく、いろいろなバックグラウンドの方がいます。京都出身は少数で、関西圏、関東圏からのスタッフも多いです。今も全員が京都に住んでいるのではなく、大阪などから通っているスタッフもいます。
「春秋座-能と狂言-」撮影:清水俊洋
マルチメディアパフォーマンス「二重の影」撮影:清水俊洋
A5 主任研究員が立ち上げた企画や、チーフプロデューサーの社会普及系としての市川猿之助 芸術監督プログラムや落語の公演などの制作の主体となって働く立場 の職員です。制作発信で関連企画を行ったりもしています。大学の中にある劇場ですので、ただ公演を行うだけではなく、その公演がどういうものであるかをきちんと周囲に知らせていくということが大切になりますので、その辺のアイデアを出していくことも重要です。 また、劇場を利用して行なわれる大学の授業・シンポジウム・行事などの対応や学内の他部署との連携を円滑に進めることも必要です。 大学職員として学生のために何が出来るかを常に考え実践していくことになります。
春秋座ホワイエ
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舞台芸術のことをあまりよく知らなくても、これから知りたい、積極的に関わりたいという気持ちがあれば大丈夫です。実際には、外部とのやり取りや公演書類を作ったり、簡単なチラシや地図を作ったり、事務処理の仕事が多くありますので、そういった一般事務処理スキルのある方は、スキルを活かして働けると思います。公演制作特有のスキルももちろんありますが、それらはここで働きながら身に付けていけると思います。
上演される演目も歌舞伎などの伝統芸能から、コンテンポラリー、海外招聘の公演もありますので、多種多様な舞台芸術の演目に関わることができます。幅広いジャンルの公演に関わることで、さまざまな知識や経験や考え方が身に付くのではないかと思います。
また制作としての仕事内容も、いわゆる制作実務から、公演本番のフロント業務、票券業務まで全部自分たちで行っています。海外招聘もありますので、英語や韓国語など外国語スキルもあれば活かせます。また大学ならではということで、お昼には大学の学食やカフェも利用できます。大学の中にある劇場ですので、この場所の使命を一緒に考えながら働けるといいな、と思います。
来年が劇場15周年の記念の年なので、いろいろそのための企画も考えています。記念すべき年にぜひ一緒に働けるといいですね!
大学の劇場として”学生の力は欠かせない”
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